うつ病を改善させるためには抗うつ剤を正しく服用すること

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うつ病治療との向き合い方

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治療法への理解

「うつ」は明確な症状と治療すべき箇所が分かる別の病と比較しても、実態が把握しづらい病気です。様々な事情や悩みが折り重なっていたり、環境や対人関係の為であったりと、原因を特定することが難しい病気です。よってうつと診断されて処方される抗うつ剤にも、その効果にはっきりとした根拠があるものは少ないといわれています。臨床試験のデータと照らし合わせてみても、効果がまばらなケースが珍しくありません。研究者の中には、患者の気の持ちようによって症状の改善に差が出てしまう、いわゆるプラシーボ効果というのが処方した結果を左右していると考える人もいるくらいです。ただし、どんな抗うつ剤においても注意しておかなければならない点がひとつだけあります。それは、一度服用をはじめたのであれば、精神科や心療内科の医師との相談なしに中断することだけは絶対に避けるべきだということです。症状改善のデータはまばらですが、服用を中断した際に禁断症状が現れてしまうケースは約20%という明確なデータが存在します。抗うつ剤の禁断症状には、胃腸障害や頭痛、睡眠障害などがあります。服用を中断しようと思う場合、症状が改善されてきてもう大丈夫と判断したからかもしれません。しかし、その結果が招くこれらの禁断症状はうつの再発を促してしまいます。そうすると、服用していたものよりもさらに強い抗うつ剤を投与しなければならず、薬に依存してしまう体質になってしまうリ危険性があります。服用中の抗うつ剤によって多少なりとも調子が良く、副作用などの悩みも一切ないのであれば、服用を続けることが最善とされています。また、逆に症状が改善しないので薬の効果がないと判断し、中断しようとする場合もあります。しかし、その際も独自の判断で服用をやめてはいけません。その場合は薬を服用しながら、別の方法で心を軽くできるものがないかを探してみることをおすすめします。最も身体に負担のない形を望むのであれば心理療法がおすすめです。心理療法は抗うつ剤による治療法と同じくらいに、多面的に研究がなされています。心理療法は薬によって体内の何かを変えるわけではありません。うつ病の症状を誘発する物事の捉え方や精神構造に働きかけ、治療を行っていきます。たとえばうつが完治した際に、抗うつ剤のみを使って治療した場合と心理療法を取り入れた場合では、その後のメンタルへの影響が異なってきます。抗うつ剤で症状が完治した場合、ほとんどの患者は薬のおかげだと認識してしまいます。よって、万が一うつが再発した時にも、同じ薬に頼ろうとしてしまいます。ところが、心理療法を取り入れて症状を完治させた場合には、自分自身の力でうつから抜け出すことができたという自信が身につきます。心の動きの変化をセルフコントロール術も身についていますので、再発のリスクを低く抑えることができます。また抗うつ剤に比べて比較的医療費を低く抑えられるというのも大きなメリットといえます。どんな病気にも個人差があるものです。うつに陥った時に最も避けるべきなのは、現状以上に悲観的な感情に飲み込まれてしまうことです。抗うつ剤の効果がなかったとしても諦めるのではなく、長い目で自分自身の症状を見守りながら、別の方法を探る余裕を持つことが必要です。